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2012
10.29

「寝てる子は誰?」

Category: ひとりごと
魯迅、という中国の小説家がいました。
日清、日露戦争の時代。中国は大清国の時代。

岩波書店から出ている文庫の”自序”の中で、魯迅は何がしかの「提唱」は賛成されれば前進を促し、反対されればなにくそと奮闘する。しかし反対も賛成もされない場合の孤独感は荒野に立つが如しで、それを「寂寞」と呼んだ。
それは、祖国の人民の状況を憂いでのことだった。
しかし、寂寞を越えてなお英雄のように振る舞うことは出来なかったとも。
そんな時、雑誌を作っている古い友人から何か書いたらどうかと言われた。魯迅は、誰からも相手にされない「提唱」をしているこの人もそんな寂寞に陥っているのかと思ったそうだ。
魯迅は友人に対してこう言った
「仮にだね、決して破れない鉄に囲まれた窓一つ無い部屋があったとしよう。中には熟睡してる人が大勢いる。放っとけば皆窒息して死ぬだろう。だが、放っとけば苦痛を感じずに静かに死ねるじゃないか。いま、大声で何人かを起こしたとして、この状況でどうせ助かりっこない苦しみを与えながら死に至らしめることになるが、それを気の毒とは思わないのか?」
友人は答えて
「しかし、数人が起きれば鉄の部屋を壊す希望が絶対にないとは言えんじゃないか」と言った。
魯迅はたしかにそれは否定出来ない。と考えて有名な「狂人日記」を書いた。
「吶喊」としてまとめたそれは、確かな回答などではなく苦悩から出る「表現」だったのだろう。


目覚めるのを怖がる「空気」。
お互いが目覚めないよう監視し黙らせようとする社会。
敗戦後の日本とも一致する。
目を覚まされないように硬く目を閉じ寝たふりをしてジタバタする姿がマスメディアを通じて見えているのではないか?


恥ずかしながら「狂人日記」はじめ魯迅さんの小説はこれから読むところです。
しかし、始まる前の序章である”自序”でいきなり重いパンチを食らわされてしまいました。

諦めは表現の自殺だ。



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2012
10.27

君が代の日

Category: ひとりごと
もう27日になっちゃったけど
明治13年(1880年)10月26日は非公式ながら明治の日本政府が現在の形になる「君が代」を採用した日。
11月3日の明治天皇誕生日に演奏されています。

wikiによると
明治2年(1869年)にイギリスの歩兵隊長から儀式で演奏する国歌、儀礼音楽が必要と提案され、おめでたい歌として国民にも知られていた読人しらずの古歌に奥好義、林廣守が曲をつけ、当時海軍軍楽教師として来日していたフランツ・エッケルトが和声をつけて完成したもの、だそうです。

ボクは高校の時吹奏楽部だったので式典では君が代を演奏していました。
トランペットのパートは3小節目から内声(中間の和音)を担当します。これがとても好きでした。
そして終わりから2小節前の3拍目(こけのむす、の「す〜」)で全楽器がユニゾンになるのがまた好きで演奏する度じわりと感動したものです。
ただ、エッケルトは歌詞の内容を理解して和声を付けてたかどうか疑わしい。
というのは詩の半端なところで和音からユニゾンになるのは詩の意味を考えればあり得ないだろうと思うから。
それでも、とても良い編曲だと思います。

余談ですが、シベリウスの「フィンランディア賛歌」が合唱版と交響詩「フィンランディア」の中で器楽のみで奏されるのとではブレスの位置(メロディの切れ目)が異なるのに似ています。
フィンランド人指揮者の演奏では合唱のブレスが意識されている演奏もあります。
そんなことは意識しなくても名曲ですけどね♪

さて
君が代の歌詞はご存知かと思いますが念ために書きますと

君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
巌となりて
苔のむすまで

ですね。

あえて率直に短く意訳すれば
皇統の平穏な世の中が永遠に続きますように。となります。
現憲法でも書かれている「日本の象徴であり日本国民統合の象徴」天皇は日本国を代表した価値観として国際的にも通用しているものですし言葉通りのそれで良いと思います。
重要なのは「君は」ではなく「君が代は」なところです。「この世は」と言い換えても良い。
王様や君主個人ではなく、みんながいる世界が主役で、皇統と民がともに世の平安を願っている歌、と読んで良いでしょう。
「君」は皇統もしくは天皇と読むのが自然ですが、それを踏まえた上で、単に「あなた」と捉えても良いでしょう。
「あなた」は家族や恋人、恩師、仲間たちなどなど自分が大切だと思う人や山や川…自然でも良い。
それが「さざれ石」が集まって「巌」になり「苔」がむすくらい永久に、と。
しかも「さざれ石」という動かない静かな物体が目に見えないほど静かな動きの末に塊になり緑の苔が…という極めて平穏かつ静謐な表現で、まさしく日本的で美しいと思います。

相対的な言い方をしても意味は無いと思いますが、西洋の国歌は革命や戦争で勝ち取った国家であるがゆえに攻撃的で排他的な内容が多いです。
「フィンランディア賛歌」はフィンランドの第二国歌として親しまれている(フランス国歌などより)極めて穏当な内容ですが、ロシアの支配時代が色濃く反映して「夜の力は朝の光に打ち負かされた おまえの朝が明ける、祖国よ」「隷属を追いやったことを そしておまえが抑圧に屈しなかったことを おまえの朝が明ける」と独立を戦いで勝ち取ったことを歌っています。
日本は歴史的に他国を(欧米的な意味で)侵略し国家拡大をしたことがない。1945年からの7年間以外他国の占領も受けたことがない、初めから独立独歩の国ですからことさら独立を誇らしく歌う必要がなかったのですね。

ただただ、平穏な世の中が続きますようにと願う歌なのです。


「君が代」は願いの歌、祈りの歌。



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2012
10.22

「自立・独立を恐れてジタバタする子供、日本人」

Category: 政治・社会
*動画の内容がいまひとつ合致してなかったので選び直そうとしたら勢い余って本文も追記してしまいました。(2012.10.25)

最近マイブームの(と言ったら失礼ですが)長谷川三千子さんの動画をご紹介します。

事の発端。というとどこを発端とすればわからないんだけど、主権、人権、民主主義…ということに小さな「?」がつきはじめた頃から気になっていたこと。
古くはダッカ日航機ハイジャック事件、オウムが起こした数々の事件、その他理解しかねる大小の非人道的な事件や、事件未満の家庭問題、社会問題。
自民、民主関係なく政治がうまくいかないことの原因を(ぼんやりと)考える中で。
「どうしてだろう?」「何がいけないんだろう?」「この国は、国民はどうなっているんだろう?」と気になっていたこと。
東日本大震災後に生まれたある種の「焦り」の中、感じたこと。

その正体は何なのか?

長谷川三千子さんは、その疑問の一端(とても重要なヒント)を「社会」が生まれた太古の歴史を振り返り現代と対比させて端的に解りやすく、非常に穏当な語り口で明らかにして下さっていて、対談や講演、最近になってようやく著書「民主主義とは何なのか」を読むに至りました。

民主主義とは何なのか (文春新書)民主主義とは何なのか (文春新書)
(2001/09)
長谷川 三千子

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ブログタイトルの「自立・独立を恐れてジタバタする子供、日本人」
下の動画リストに入っている『創生「日本」』での講演で長谷川三千子さんが語った言葉です。
朝日新聞の幹部が「安倍の葬式はうちで出す」と語り安倍批判は朝日新聞の社是であると表明したことを指し、安倍総裁の「戦後レジームからの脱却」を最も正確にわかっていたのは保守政治家や知識人よりも、朝日新聞を始めとする左派論壇だったのではないか。
彼らは敗戦国であることの甘えから脱することを恐れ手足をジタバタさせる子供のように安倍晋三を拒絶し「殺そう」としている、と。
やや脱線するけどもこの言葉は「日本のサヨク」を非常に端的に表していると思います。
彼らは左翼思想なのではなく「敗戦国」に甘えているだけなのだ。
「親(外国)保守」も然りと言えそうです。

「戦後民主主義」の正体は何なのか?
「民主主義とは何のか」?
恐れずに、ひとつひとつ立ち止まって原点を問い直してみたい。

戦後の日本人が忘れてしまったものを思い出すために。
誰かに忘れさせられた、のでもなく、自ら忘れようとしていたことを自覚するために。
自立、独立を恐れずに自分の足で半歩でも踏み出すために。


長谷川三千子さんの出演番組の動画を中心にリストにしたもの。
「国民主権」「基本的人権」「平和主義」「日本国憲法と大日本帝国憲法」など…全10本、3時間40分ほど。


Twitterでは「民主主義とは何なのか」を読んだ復習として呟いたりしてるんだけど。
この動画は上のリストにも入ってますが、本に書かれていることを解りやすく話されていたのでオススメしたいと思います。
頑張れ日本行動委員会主催「外国人参政権阻止」集会にて



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2012
10.21

「ヱヴァンゲリオン新劇場版:Q」

Category: 仕事
さぁ。「Q」公開まで一ヶ月を切りました。

制作現場も追い込みに入っています。
特報、予告も次々投入されることと思います。

制作現場の近況。
追い込み名物の炊き出しが始まりました(笑)
昨日はカレーライス。
今日は納豆卵飯。しらす、ねぎなどトッピング付き。
殺伐としがちなこの時期、やはり食べ物は最強の癒しです。

ありがたや。

ラストスパート!
実はここからが短くて長い戦いです。

応援よろしくね!


「Q」公開に先立って
11月9日「序(TV版)」
11月16日「破(TV版)」
「金曜ロードSHOW!」で放映されます。
16日には「Q」の冒頭6分38秒(TV版)が初公開。

ご期待下さい。


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2012
10.16

「サヨク度」テスト(笑)

Category: ひとりごと
憲政史家の倉山満氏のブログ「倉山満の砦」から。

『あなたのサヨク度チェック』

一、 天皇・皇室キライ。なんであいつらいるの?
二、 君が代なんて歌えない。(日の丸は侵略の象徴だからヤ。)
三、 戦争はこの世で最も悲惨な出来事です。(最悪はアジア太平洋戦争。)
四、 外国と仲良くすることは良いことです。(東京裁判の結果を真摯に受け止めましょう。)
五、 軍隊がない社会って理想だよね。(自衛隊って憲法違反でしょ。無くさないと。)
六、 核廃絶は人類の義務です。(核武装など論外)
七、 日本は中国に悪いこととしたんだから、仲良くしたげようよ。(南京etc)
八、 日本は北朝鮮に悪いこととしたんだから、仲良くしたげようよ。(強制連行etc)
九、 宗教って格好悪い。(首相が八月十五日に靖国神社を参拝するって何考えてんの?)
十、 民主主義っていい言葉だよなあ(戦後民主主義教育マンセー。)
十一、人権っていい言葉だよなあ(日本国憲法は未来永劫守りましょう。)
十二、アメリカ、好きだよ。(でも原爆はちょっと~。)
十三、外国人参政権認めないのって差別じゃないの?
十四、移民を受け容れOK!(グローバル化だから共生の社会をつくりましょう。)
十五、震災復興のためには消費税増税もやむなし。(反対している奴は人でなし。)

Facebookで倉山塾生の方が紹介してた倉山さんが21歳の頃「考えなしサヨクだった」
話に乗っかってみる。

さて、ボクの答え。

六、がサンカクで他は全部バツ

21歳の時なら9個はマルがついただろうね。
「戦争」は最も悲惨で、民主主義や人権は「いい」って確実に「なんとなく」思ってた。

遊び感覚で、それぞれに理由を。

一、「天皇・皇室キライ」好きと言うのとは違うけど、尊敬、畏敬の気持ちは間違い無くある。
独裁者でもないし、東京裁判を根拠にした「南京大虐殺」や、「『従軍』慰安婦」を主導した極悪人、などというのは妄言。バツです。

ニ、「君が代歌えない」歌える。高校吹奏楽部で伴奏を奏するのが何気に好きだった。バツです。

三、「戦争はこの世で最も悲惨」法に則った「戦争」よりも、全てをひっくり返す革命の方が悲惨。フランス革命を知ると近代戦争より余程恐ろしいと分かる。現代なら戦争にならないで行われる先の見えない紛争の方がよほど悲惨でしょう。バツです。

四、「外国とは仲良く」「仲良くする」必要はないですね。個人レベルの話じゃないので、国民大多数の幸福を実現するのに良い「外国との交流」が必要。交易交流に仲の良し悪しは不可欠要素ではないし、この順番を誤ると国益を損ないます。バツです。

五、「軍隊がない社会が良い」手足を切り落とし口も塞いで人が人であるわけがない。自分も他の誰も守れませんし個人、独立国の否定。個人レベルならそれでもやっていけるでしょうが、国家レベルでは無理です。バツです。

六、「核兵器廃絶」最強の兵器がなくなれば軍事バランスが崩れ新たな戦いを呼び起こし悲惨な状態になるでしょう。核兵器は大規模戦争を防いでいます。廃絶にはバツ。先進国になった日本がこれを持っていないことも軍事バランス上問題がある、という見方があるのを知っています。しかし、すなわち「日本も核武装を」とは言えない、感情論の自覚あり。サンカクです。

七、「中国に悪いことした」まず「中国」、とは戦争したことないですよね。’30年代にまだ中国はありませんでした。満州民族を独立させて満州国を承認しソ連を、英仏などが入り乱れる内戦状態の大陸地域に毛沢東共産勢力の拡大を防いでいた(結果は共産勢力の勝ちだったけど)。政治体制も国民性も違いすぎるので仲良くするのは難しい。「南京大虐殺」はウソ。バツです。

八、「北朝鮮に悪いことした」日韓併合時代に日本が作ったインフラや当時の権力者をかつての欧米流で抹殺しなかったのが悪かったですか?日本人を拉致して人質にして金や食料をせびる北朝鮮と仲良く出来るわけはなし。バツです。

九、「宗教って格好悪い」「人間って恰好悪い」と同意の言いがかりw(ああ、そうか突き詰めていくと人間こそ地球にとっての悪とか言い出すのはそれか〜)バツです。

十、「民主主義っていい言葉」絶対正義ではない。フランス革命の頃生まれた民主主義は殺戮を正当化する概念だった。第一次世界大戦で文化の異なる多国が「敵」を設定してまとまるため「正当な言葉」「いい言葉」として変化したもの。戦勝国が敗戦国を一方的に断罪する時に都合よく使われる言葉。それが民主主義。いつどんな時でも正しいもの、正当性の必要十分条件として民主主義を掲げてはいけない。戦後民主主義を良いと認めるならジェノサイドを良いと言うようなもの。バツです。

十一、「人権っていい言葉」「人権」なにそれうまいの?(めんどくさくなってきた)人権は人権を脅かす。自由と同じ。無制限ではありえないのでなんとなく「いい」とは言えない。バツです。

十ニ、「アメリカ」好きなとこもある、けどよくよく考えるとそれほどないw バツです。

十三、「外国人参政権を」日本と日本人が第一で外国人には二番目優しく。外国人の利益が一番になる危険性のあるこれはバツです。

十四、「移民受け入れ」グローバル化?それってどんな侵略容認? バツです。

十五、「消費税増税」デフレ下での増税は税収増にならず国民経済は瀕死になる。GDPが減り続け消費税率が5%のままなら実質増税され続けている、さらに増税しますか? 国民をさらに貧乏にし自殺者を増やす増税論者こそ人でなし。まずはデフレ脱却と経済成長!そのための日銀法改正! デフレ下の増税はバツです。



倉山さんのことだから(?)どれかが引っかけ問題かと思ってしまったけど(笑)

追記
言葉の定義を曖昧に捉えていないか?
歴史的事実に基づかない印象論に囚われていないか?
というのが引っかけですね。つまり全部引っかけ問題といえばそうなる(^_^;)




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2012
10.12

日銀法改正

Category: 政治・社会
耳慣れない話ですがとても大事なことです。

日銀法の問題点は、日銀総裁を誰もクビに出来ないこと。
日銀が金融政策で失策をした場合、あるいは景気回復など政府の政策に協力しない場合でも総裁は責任を取らされない。
自発的辞任か任期満了。
つまり日本の最高権力者は日本銀行総裁と言って良いのだ、と。

このことから現日銀総裁は「白川法王」などと揶揄されるているわけですね。

笑い事ではありません。
円高デフレの中、積極的な金融緩和策をとらず、円の価値を下げないことに固執するイデオロギーによって国民経済は20年に及ぶ不況から抜け出せないでいる。
加えて、イデオロギーによって「人口減少デフレ論」などデフレと経済政策が無関係であるかのようなファンタジーが蔓延し始めている。
この根っこには反権力、反国家、なんでも民間でやればうまくいくの新自由主義的思想。
どうせ日本は成長しない、の「日本ダメ論」が蔓延っているように思う。
その先に「増税やむなし」があります。
あるいは増税ありき論。

自民党も増税を主張してるじゃないかという人がいるでしょう。
麻生政権の3段ロケット方式を覚えてますか?
麻生政権の56兆8000億もの第3次補正予算の中身を知っていますか?
前者では3段目の「景気動向を見て増税を検討」の「増税」だけがマスコミで繰り返され景気回復策は無視されました。
後者では「アニメの殿堂」(ボクは意義があると思ってた)が中身ではなく麻生総理の趣味のように印象で批判が繰り返され、現在の「国土強靱化政策」(これも印象論で批判されている)につながるインフラ整備+景気対策が無視された。
マスコミ情報だけでは事実はわかりません。誤解の方がはるかに多い。嘘で騙そうとしてるフシもある。「報道しない自由」によって事実が隠蔽されてしまう。
「国土強靱化を増税でやろうとしている」という話も間違いです。
自民党の増税は景気回復後にやれること、としており順番が違います。
国土強靱化のための国債を刷る、金融政策であり、ここで日銀の問題が関わってくるんですね。
政府の借金は国民の資産になる。ということも理解されていません。
「借金」という言葉を誤用して国債を過剰に悪者にしていますが事実は違う。
国の借金は経済成長、GDP増加でほとんど解決するとのことです。

戦後はほとんどなかったために「デフレ」を認識できず、解決も経験がない。
戦前にはデフレ脱却の経験がある。高橋是清の政策だ。
これには当時の世界情勢…戦争があり巨大公共事業がやりやすかった。
推測だけど、デフレ認識と公共事業への嫌気には日本の敗戦後特有のイデオロギーも絡んでるかもしれない。
クルーグマン教授は、現代で戦争をやれとはいえないが「エイリアンが攻めてくるぞ!」とデマを飛ばして財政出動すれば良い、と冗談交じりに財政政策(公共事業)の必要性を語っています。
同時になかなか理解されない苦悩も表れているようです。
日本は毎年の台風や豪雨豪雪があり巨大地震がやってくる。嫌でも来るんです。
高度成長期のインフラは耐用年数が迫り通行止めの大型橋が121。小型の橋を含めて143。
重量制限を含めると680を超える橋が使えなくなっているそうです。
学校や公共の建物、トンネルなど命にかかわるものがいくらでもあり災害で危機に晒されます。
戦争など想定しなくとも定期的に公共事業が必要な風土を持っているのです。

政権交代後
不況=インフレという固定観念から民主党政権は緊縮財政(事業仕分け)、公共事業凍結など見当違いな政策を次々行ない、民主党マニフェストの景気対策はどれも貯蓄に回るだけの需要を産まないバラマキだった。
物価が安く、物よりお金の価値が高い円高では子供手当てや高校無償化、高速道路無料化、農家戸別所得補償などは貯蓄に回って消費や投資にお金が回らずGDPを押し上げる効果はない。
これらはインフレ対策であり、デフレを進行させる。つまり景気は回復しないどころか悪化したのだ。

この状況を打開するためには「努力目標」などでは不十分で、大胆な金融政策の変更が必要。
政府と責任を共有し政策協調を確実にするために、日銀総裁の解任権を総理あるいは内閣に持たせる日銀法改正が必要なのです。

白川総裁は緩和策に消極的で、経済成長率と物価上昇率を引き下げる可能性を示唆している。
つまり、経済成長をさせず(景気回復させず)、円高を維持する(円の価値を下げない)という意味。

誰得ですか?
デフレ下の増税で得をするのは円高が有利な業種や資産家くらいでほとんどの国民は得になりません。

景気回復とヒトコトに言っても様々な効用があります。
・税収増により社会保障正常化
・震災復興、来る大地震への防災減災(国土強靱化)
・雇用拡大、職業選択肢の多様化
・(経済力強化による)領土的野心を顕にする隣国からの攻撃抑止。
社会にお金がグルグル回るようになれば成長でき豊かになれる。
これらは国民の平穏かつ安定的な生活の構築であり命を救うことにつながります。
つまり、日本の国益に叶うのです。
みんなが得をするのです。

景気回復を阻害し国益を毀損する日銀総裁をこれ以上許して良い理由はないでしょう。

こういう論点はテレビマスコミや新聞では見られないと思います。
ボクは(繰り返し書きますが)経済では、三橋貴明氏、上念司氏、田中秀臣氏などの本やブログ、情報発信している動画でマスコミの情報が如何に歪んでいるか、データに基づく現状認識と提言の一端を見ています。
完全な理解はできないまでもより正しい方法を探る術になっています。
政治家なら誰を信用すれば良いかもわかってきます。

安倍総裁は11日の会見で白川総裁の再任に否定的見解を示した。

野党党首が来年春の日銀人事に言及する異例さをよく考えていただきたい。
それほど景気回復に重要な問題なのです。

そしてこれが「しかるべき時(野田総理)」に開かれる臨時国会への何らかの布石であれば期待も高まります。

臨時国会の条件は解散ではなく、日銀法改正に。
特例公債法案を成立させる条件に日銀法改正を。

安倍総裁、がんばれ!!



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2012
10.03

読書の秋

Category: ひとりごと
安倍自民党総裁が誕生し新執行部も発足しました。
逆転2位となった石破茂氏は幹事長に就任しTV等で活発に発言しているようです。
ボクは、石破さんは重要閣僚もしくは三役として信頼に足る人と考えていたのでこれで良かったと思います。
問題があるとすれば経済政策の理解が新執行部で共有されているとは思えない点で、石破さんには総裁選中も経済の弱さを感じてたので、デフレの正しい認識を深めて頂きたいところです。

5人の候補中、唯一正しいデフレ認識を持ち、日銀法改正を含めた金融政策+財政政策を打ち出していた安倍晋三氏が総裁になったのですから、これを活かすためにも財務省や日銀、守旧派のロジックに負けない堅牢な認識を持って政策を断行するための準備を進めて欲しい。
「戦後レジームからの脱却」は国防安全保障だけの話ではないのです。

さて
読書の秋、と断る必要もないんですがこれまで主にネットの動画で得ていた知識を本に求め始めました。
小説以外ではチェルノブイリ、原発関係や戦争と文化の関わりを著した本を読んでいた20数年前以来かもしれません。
不勉強の極みですね。
発端は政治と経済。
2010年末くらいから話題になっていたTPPに関する疑問が始まりです。
新聞では概ねTPP歓迎論が多く、逆にネット上のコラムや評論家が発信する動画では反対論が目立ちました。
その頃知ったのが三橋貴明氏、中野剛志氏、上念司氏、藤井聡氏などです。
お三方とも(現状での)TPPには反対でした。そして3者に共通する国家観があることにも気が付きました。
さらに何故そのような共通点が生まれるのかにも気がつき始めました。
それは
19世紀後半の日本が国際社会と近代的な関わりを深める中でやってきた「成功と失敗」に学んでいるからであろうと。

上記3人に加えて、この観点を強烈に補強して下さるのが憲政史家倉山満氏であり哲学者長谷川三千子氏であり、経済分野でイデオロギーに依らない解説をしている田中秀臣氏などです。


今手元にあるのは倉山満著「誰が殺した?日本国憲法!」

倉山さんの本はこれの前に「嘘だらけの日米近現代史」を読みました。
特に戦後教育やマスメディアによって作られ信じられてきた日米史の「通説」を歴史的事実を元に挑発的に論破した本。
倉山さんは口当たりの良い批判、反論では真実を知ろうとするエネルギーが喚起されないと看破しています。
「嘘だらけの日米近現代史」では冒頭、アメリカにまつわる嘘を見破る3つのコアメッセージが記されてます。
・アメリカはバカ!
・アメリカはヘタレ!
・でも、やるときはやる!
好き嫌いではなく相手を正しく見るため、です。
つまり人に置き換えればどんなにバカでヘタレだと普段言われててもやる時にはやれる人は尊敬されるのですから。
アメリカもそうやって世界的な地位を築いてきたのであって生まれた時から偉大で強大な国家ではなかったわけですね。そこを見誤ると世界の歴史や日本の歴史をも見誤ってしまうのです。

「誰が殺した?日本国憲法!」も一般に通説として信じられていることを一つひとつ正しながら憲法とは何かを論じた本だろうと予想しています。
まだ「はじめに」の途中までしか読んでないので予想なのです。
本の中身は目次をざっと眺めると方向性がある程度わかります。
第一章:最高裁は人権を守らない
第二章:憲法学をカルト宗教にした日本国憲法
第三章:オカルト平和主義
第四章:もはや日本国憲法は誰も幸せにしない
第五章:政権交代失敗の憲政史的考察
倉山さん特有の挑発的言葉のオンパレードのように見えますが、日本国憲法について考えたことがある人には何を言わんとしているか分かると思います。

「はじめに」では日本が満州を属国として統治し経済発展を成し遂げた歴史とその法的(日満議定書第二条)位置づけが書かれています。
そして、それはアメリカが戦後日本を制御して経済発展を成し遂げた関係とそっくりであり、日米安保条約・地位協定という法的な見方でもかつての満州と戦後の日本は双子のような存在だ、と。
つまり法的に見ても日本はアメリカの属国であって独立国ではないのだ、と。

戦後の外交や経済、拉致事件の被害者を取り戻せない事、領土問題、領土領海に関わる事案を主体的に解決できない、発言力すら無いのは何故なのか納得できるかと思います。
このことから、日本が何をしなくてはいけないかも見えてきます。

また「はじめに」の中ではこうも書かれています。
”憲法など、自分の生活と関係がない、現実の政治や経済とは関係がない。そう思っている方にこそ本書を読んでいただきたいと思い、筆をとりました。”

奇しくもボクがTwitterやブログで繰り返し言っている「政治の話はアニメや生活にもつながっている」と似ています。
憲法論議もこのブログで少々書いていますが、それもアニメや生活に関わる話だと考えるから話題にしているわけですね。

憲法(憲法典)は文字に書かれない国の歴史文化が培ってきた国柄の一部を書き記したものにすぎず、国際社会に「我が国はこんな国ですよ」と知らせるのが目的でもある。
日本国憲法は前文からして独立国でないことを国際社会に知らしめている。それで良いのか?
日本が本来持つ歴史・文化…国柄とは何か?
国柄を知る。これは、自分自身を知ることにもなるんですね。

さて、読書の秋に。



誰が殺した? 日本国憲法!誰が殺した? 日本国憲法!
(2011/06/01)
倉山 満

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