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2009
07.11

これは!?

Category: 音楽
ヘルベルト・ケーゲルのベートーベン:交響曲全集SACDについて音楽評論家の平林氏のコメント。

この全集はあまり気乗りしないまま作ったのではなかろうか?と思える程、ケーゲルとしては山も谷もタメ・ツメもあまりシャキッとしない演奏。というのが聴いた感じで、唯一第9だけは何度か聴いた。
ケーゲルのベートーベンなら他のレーベルから出たライブ録音の方が彼らしい刺激に満ちた演奏だったからだ。

第9では平林氏が
>独唱、合唱をこれだけきっちりと歌わせた例は希有ではなかろうか。
と述べている通りで、ボクは「カルミナ・ブラーナ」同様合唱の表現力に舌を巻いてしまった。
や、ドイツ語の巻き舌音がこんなにありありと聴こえるのは他に例がなかったし、レクイエム的な空気感も独特だった。
今回のSACD化では他のも音質が向上してて細部まで聴き取れるらしい。

これは気になる。
全集としてもSACDとしてもこの価格は安い!
買わねばなるまいね。



と、ここまでが買う前にメモっておいた日記。


届いたので早速3番「英雄」から聴いてます。
CD盤が手元に無いので聴き比べは記憶に頼ってのことだけど
確かに!
これはスゴイかもしれない。
一聴して霧が晴れたクリアな音に驚かされる。全体にもやもやした録音だったCD盤と違う。
ダンゴ状で聴き取り難かった細部もよく聴こえるし量感も十分だ。
80年代の録音にしては…という不満はほぼ無いと言って良く、最新の録音と比べても遜色はない。
録音バランスの取り方に時代を感じる程度。
ていうかそのバランスがしっかり聴き取れるようになったのが驚き。
ややオン気味で楽器配置がはっきりわかる。
このくらいの方が聴き易くてボクは好きだ。

いやぁ、うれしいね。
それにしてもドレスデン・フィルの弦ってこんなに柔らかくて表情豊かだったとは。

ケーゲルは東ドイツを拠点に活動していて、そのせいで長く埋もれていた指揮者だ。
ベルリンの壁が崩壊したくさんの録音が広まると同時に評判を呼び、ライブ録音なども発掘、発売されている。
ボクはドイツ・シャルプラッテンレーベルから出てたストラヴィンスキーのバレエ曲やオルフのカルミナ・ブラーナで存在を知り、一時期はコンドラシンと共に「緊張感でヒリヒリする」系指揮者として夢中だった。
ケーゲルのブルックナーには他の指揮者では味わえないギリギリ感があって好きだ。
しかし、こういった印象というのは彼の死のエピソードが影響しているかもしれない。
統一後のドイツに馴染めなかった彼は方向性を失い自らも崩壊。1990年に短銃自殺してしまったのである。
このことから実際以上にエキセントリックな印象を持たれることになった感は否めない。


と、書いて来て今、3番で一番好きなフィナーレ後半のオーボエ独奏の部分に…
…ソロを支える木管楽器の和音に…弦とホルンが加わって…クラリネットのオブリガートが…

すごい。

少しユーモラスなクラの上昇下降を繰り返す伴奏に乗ったオーボエもすばらしい。

イイわー!

前打音のニュアンスがすばらしい。「タ、ターン」というフレーズ。
穏やかな幸福感とどこか寂しげなニュアンス。

その後の盛り上がりも深呼吸で胸が膨らむような気持ち良さに鳥肌が立つ。
…言葉にしようとするとどこか白々しくて申し訳ない。

SACD化について書いて来たけど、こうなると音盤の善し悪しなんてどうでも良くなる。
ただただ、音楽が楽しい。
それだけだ。


後年次々と出たライブがそうだったように、今回のSACD盤もケーゲルの評価を変える一つの根拠になるんじゃなかろうか。



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