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2009
12.20

CAST AWAY

Category: ひとりごと
2000年 トム・ハンクス主演のアメリカ映画。

とある音響設備会社さんで優れた音響演出の作品として見せて頂いたもの。
その時は状況の変化と音響演出を説明されながらシーンを抜き出して観たんだけど、映画自体面白そうだったのでその後DVDを買って観た。

なぜか既に5、6回はみてるかな。

(文末に追記アリ)
あらすじ(ネタバレ)
運送会社フェデックスの管理職チャックが乗り合わせた貨物機が嵐で墜落。
一人無人島にたどり着いたチャックは4年間無人島で生活したのち、島を脱出、現実に帰る。
しかしかつての恋人は他の男と結婚して幸せな生活を営んでいた…。
彼の失われた時間と行く先は…?


日本ではまぁまぁのヒットだったのかな?
前半の貨物機墜落シーン以外ほとんどスペクタルもサスペンスもラブシーンもなく最後の盛り上がりも大きくない。
ヒッチコックファンとしてはその流れを汲んだゼメキスが「海外特派員」での墜落シーンを現代の技術で完璧に再現してくれたあたりにまず拍手だったけども。
それでもこれを観たとき他人事でない感慨があった。
感動と言うよりは大げさに言えば「チャックは俺か?」という親近感。

それは兎も角。

音響演出は本当に素晴らしい。
この映画でランディ・トムというサウンドデザイナーを覚えた。
「レミーのおいしいレストラン」もこの人だ。
空間演出、画面で起こっている様々なことからどの音をお客さんに意識させるか。
アニメでも音響しだいで作画が救われたりするし演出の流れも決まってくる。
とっても大事な仕事なのですが日本では今ひとつ正当な評価を受けてない気がします。

映像と音響で一つの形を成す映画は総合芸術と言われるけどもこの映画はさしずめ音響映画と言って良いくらい「音」が重要。

この映画の通奏低音に「時間」がある。
音と時間は切っても切れないもので、遭難した主人公チャックの時間と恋人が過ごす時間に残酷な断絶がある。
映画はずっとチャックに寄り添っていてそちら側の時間だけを切り取っていく。
叩きつける雨の音、波の音、夜きしむ木々の音、ココナッツが落ちる音、貴重な水をすする音…。執拗に島での時間が音で表現されている。
そして彼が生還して初めて遭難していた4年間が提示されチャックの知らない出来事が顕になる。
救出後が長い、だるいというレビューが散見されたけどもボクは救出後の少し長いパートが好きです。
再開したかつての恋人が愛し合いながらも現在の時間を受け入れようとする場面が感動的だ。
島での様々な出来事が映像と音によって雄弁に語られたあと、救出後は割合あっさりとした音で色付されている。
唯一、再開のシーンで雨の音が遭難時のチャックの時間を思い起こすよう演出されていてそれ以外は努めて控えめに設計されているのだ。

冒頭と最後に登場する何もない荒野は洋上の無人島と絵と音で対比されており、主人公は無人島で時間と戦い地上の荒野で生きる先を選択する。
このコントラスト。

最初と最後に登場する荒野で現代彫刻で暮らしているらしい女性は冒頭では結婚しており、終盤チャックが荷物を届けるときには離婚して独り。
その時看板の旦那の名前が削られていることでそれがわかるんだけどかなりさり気無くて気がつかないかもしれない。
このくらいの感覚が映画っぽい。

冒頭、この女性がロシアに住む旦那(新しい女と暮らしてる)に届けた荷物。
はっきり確かめてないけども、無人島で開けるのをためらって最後まで離さず持ち帰った荷物はロシアから送り返されたものかもしれないな、と思った。
旦那が送り返そうとした荷物をチャックは4年後離婚した彼女のもとに届けたことになる。

そして新しい人生が、荷物が縁で新しい出会いになって…という短絡的なところに行かない表現もこの作品の控えめなところで良い。


どんな時間を過ごそうとも、選ぶのは自分しか居ない。



追記
例の荷物の件

同じでした。

ていうかトレードマークの天使の羽の絵がしっかり見えてるし、なんで気がつかないだよオレ。
無人島で荷物を開け始めるのは「当分ここから出られない」という心理の演出で、これと似た心理表現としては
「ジョーズ」で素人の意見を全く受け付けない屈強な船長が海洋学者の装備を受け入れるところでも見られます。
このシーンで、ある意味船長は死を宣告されいた。「負け」「あきらめ」を受け入れたわけです。
…「CAST AWAY」のチャックは島で生きる術を探すために商品である荷物に手をつける。
しかし、天使の羽の絵が描かれた箱だけは何故か開けない。
依って、チャックは完全に諦めたわけではないことが示されます。

この荷物にも彫刻家の女性のサイドストーリーにも大きな意味はありません。
荷物の中身が何で彼女と何か始まるか?というのも映画では示されません。
一種のマクガフィンであり、重要なのは何もないところからこれまでと違う価値観で生きる。ということ。

映画館の大画面で観てたら気がついたかな?
あれ以上の説明は不要なのでもっと分かりやすくすべきとは思わないけどね。

しかし気がつかなかったのはマヌケだな~。


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コメント
音響設備ですか・・・。
サラウンドですか?
最近サラウンドに興味を持ち始めました。
レコードもSACDでサラウンド出来るし。
ただこれも凝りだすとまた金がかかるし出来れば大きなモニターも欲しくなるな。
BSでも質の高いサラウンド放送をしている。

話は違うがここ何日かは冷え込むので関東煮を食べたくなってきた。(ちなみに三河地方ではおでんと関東煮は別物です・・・。)
ビロdot 2009.12.20 11:31 | 編集
トム・ハンクスとは関係ないが・・・。
高校駅伝で川高(豊川高校)女子が連覇したな。
昼からは川工(豊川工業)男子が走る。
二つのカワコウ頑張っています。
ビロdot 2009.12.20 11:38 | 編集
THX公認の会社で流石に音は抜群に良かった。
サラウンドはあからさまなのより自然な音場表現の方が正解だなと。

映像と組み合わせてしっかりした配置をしてるのは映画館でも少ないそうだ。
家庭用となるとさらに難しそうだな。

二つのカワコウはわしらの時代とは比べ物にならんくらい活躍しとるね。
吹奏楽部はどうなってるんだろう。
ヒラマツdot 2009.12.20 15:34 | 編集
2チャンネルでもサラウンドでもリスニングポジションは1ヶ所しかない。
映画館では無理だし、2チャンネルステレオでも多くのユーザーがなかなか難しいそうだ。

川工、入賞出来なかったね。
吹奏楽?存在しているのかな?
ビロdot 2009.12.20 18:34 | 編集
最近は女子が増えたとかきいたけど。
女子が増えれば増員の可能性はあるはずだが…。

わしらん時はクラリネットが一人しかおらんかったからな。
とほほ
ヒラマツdot 2009.12.21 03:50 | 編集
「24時間テレビ」に出演し話題となったのですが豊川高校のチアチアリーディング部に
車椅子の女性がいました。彼女は乙武洋匡さんと同じ先天性四肢切断という病で
生まれつき手足がありません。しかし彼女は高校でチアチアリーディング部に入部
しました。もし興味がおありでしたら最近出版された「手足のないチアリーダー 」と
いう本がありますのでよろしかったら。
彼女は現在は声を生かした職業を目指しているそうです。
いつか平松さんとお仕事で接点があったらいいですね。

http://www.youtube.com/watch?v=lQUKeAIQDaI
みかんdot 2009.12.21 14:42 | 編集
*みかんさん
すてきな情報ありがとうございます。

誰にでも言えることですが、笑顔や涙を受け止めてくれる仲間が一人でも多くいる。
これ以上の幸せはないと思います。
彼女にも今後辛いことがあるでしょうけどきっと乗り切れる。
そんな気がするしそうなってほしいですね。

暗うつな気分になることが多い昨今、だいぶ励まされました。
ヒラマツdot 2009.12.22 16:15 | 編集
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