--
--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2013
11.14

「『顔のない独裁者』を読んだ」

Category: ひとりごと
さかき漣 著/三橋貴明 企画・原案「顔のない独裁者」を読んだ。

読んでる間ずっと冷たい汗が滲むような、頭の芯がチクチク刺されるような感覚だった。
謎を探るミステリーとして、起こり得る現実に迫るサスペンスとして新鮮なスリルを味わうことができました。

この小説は三橋貴明氏が4年前に書いた「新世紀のビッグブラザーへ」と連携した作品だそうだ。
ボクは「新世紀…」の方は読んでいないが、民主党に政権を取られてしまう直前の09年6月に発売され「人権擁護法案」「外国人参政権」という「人権」「友愛」「市民」「共生」「環境」など美辞麗句と共に進められようとしていた政策が「もし実現したら」ボクたちの世界はどうなってしまうのか?をシミュレートしたもの。
現実はそのような政策が決まることはなく、3年3ヶ月で民主党政権は消費税増税を決めた三党合意など負の遺産を残して倒れたが、日本国民は少なからず民主党政権ショックを体験しています。

「顔のない独裁者」は新古典派経済学に(無自覚に)染まりつつあった民主党政権時代に構想されたもので、一年前に三橋氏からさかき氏に手渡され、物語として描かれた。
新古典派経済学に基づく新自由主義的な政策が「もし実現したら」どうなるか?という視点でシミュレートされ、ディストピアな近未来小説としてこれでもかと緻密に描写されています。
新古典派経済学・新自由主義…これは一体何のか?
すでに知っている方、疑問をもった方、全く知らない方、すべての方々に読んで頂きたい。

「もし実現したら」から「ひとつひとつ実現していく」現実へと…
この小説は安倍晋三総理という個人や安倍政権、政府という組織を特定的に批判したものではありません。
この小説が誤読されるとすればそのようなミクロな読み方をした場合でしょう。
しかし、ほとんどの読者は「そんな問題ではない」とすぐにわかるはずです。
構想は一年前であり、さかき漣氏は今年の春の時点、ボクが実際にお話した時には、安倍政権に変わり経済が復活する希望が出て来たのにこの物語を描くことに葛藤があることを仰っていた。
さかき氏は、今、批判と取られるような物語を描くことが果たして現実世界に対して良いことなのか?そのような葛藤を抱えながら描き、最終的には今だからこそ描かねばならない、と決意し描ききったのだと思います。

ですから、安倍批判、政権批判を期待する人にはそういう意味では期待はずれかもしれない。
そして、特定の政治家や政治組織を批判しても意味が無いというさらに怖ろしい現実に直面することになると思う。(当たり前のことなんですが…)
直面できなければ、本当にこの小説で描かれたことが「ひとつひとつ実現していく」世界になってしまうことを止められない。
止められないどころか、自ら地獄へと進もうとする1人になってしまうでしょう。

気付く力
学ぶこと、知識の蓄積、データを冷静に検証すること… 現実を見てより良い将来のために活かすには必要なことです。どんな人であれ、どんな仕事をしている人であれ、多少の差はあってもやっていることで、真面目な人ほど熱心に行っている。
しかし、このような努力も それがどんな意味を持つのかに気付くことができなければ 誤った方向に進んでしまいます。

プラグマティズムの作法を復習してみる。
(1)何かに取組む時、その取組みにどんな目的があるのかを見失わないように
(2)その目的がお天道様に対して恥ずかしくないものかどうか常に問い続ける

(1)を意識しない人はほとんどいないでしょう。しかし(2)はどうでしょう?
政治経済に於いて、お天道様に対して恥ずかしくないこと、とは「経世済民」の思想を踏み外さないこと。
「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」ために政治経済はあるのです。
民のためでなく、特定の政策を進めるため、という具合に目的がズレてしまったら?
新古典派経済学・新自由主義的な政策を進めることが目的になってしまったらどうなるか?
アメリカとの同盟関係のため?
政権を維持するため?
自分の主張を正当化するため?
みんなにとって良いことなのか?誰もその目的・意味のズレに気付けないまま進めてしまったらどうなるのか?
「自由」「民間への開放」「規制緩和」「改革」…このような美辞麗句におどらされ、取組みが意味するところに気付けないまま進んだらどうなるか?
戦争・経済危機・震災…強烈なショックによって判断の誤りに気が付けなくなってしまったら?
誰もが「良かれ」と信じて推進し「最悪」を招いてしまうことはあり得ます。
日本ではあり得ないだろう、などと言ってられない現実が迫っているのです。

「顔のない独裁者」は現実と地続きの近未来を描いています。

小説で描かれている「自由化」「規制緩和」「民営化」は実際に検討されていたり、外国で行われて失敗していることも含んでいる、絵空事ではありません。ただ、フィクションとして少しだけデフォルメされているに過ぎないのです。
ボクたちは小説の登場人物と同様の悩み、作者の葛藤を共有することができるはずです。
まさに 今 読んでおかなくてはいけない一冊だと言えます。

脅しなんかでなく、前向きに。

気付く力を鍛えるために。
小説の世界が「ひとつひとつ実現していく」近未来を現実にさせないために。
フィクションとして描かれているうちに「最悪」を体験しておきましょう。

顔のない独裁者  「自由革命」「新自由主義」との戦い顔のない独裁者 「自由革命」「新自由主義」との戦い
(2013/11/13)
さかき漣

商品詳細を見る


購入者全員に出版記念座談会の無料プレゼントがございます。


コメント
「そんな問題ではない」と洗脳するのが三橋貴明氏のねらい。
馬鹿でなければそれくらいは分かるはず。
プラモデル工作員dot 2013.11.14 21:23 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。